紺色バー 「シャノンサッシ」耐火性能偽装事件

「シャノンサッシ」耐火性能偽装事件

ここでは、「「シャノンサッシ」耐火性能偽装事件」 に関する記事を紹介しています。
シャノン耐火カタログ1(JPEG)   シャノン耐火カタログ2(JPEG)
これは私にとっていきなり今年最大の話題になるのかもしれません。
まだ二週間も経っていない新年で“今年最大”というのも妙に思われるでしょうが、昨年夏までこの「シャノン製樹脂サッシ」を扱っていた人間としては決して小さな出来事ではありません。建築業界としても2005年以降に発覚した一連の耐震偽装事件などに続いて大きな偽装事件となってしまい、不況著しい建築業界においてまたもや暗いニュースで新年を迎えることとなってしまいました。

私の場合、特にこれからの窓サッシの有り様としてマンション等のビル建築分野へも強く「樹脂サッシ」を推進していた立場でしたのでとても残念でなりません。
従来“戸建住宅用”であった樹脂サッシを“ビル建築”に利用しようとした場合、大きなハードルであった「防火仕様」の基準をクリアして初めてマンションや公共施設等への利用が大きく拡がります。実際の試験体ではその性能は証明されている訳だし、ビル建築への樹脂サッシの認知を拡げるこれからという時に大事な信用を落としてしまったというのはやはり残念です。

ちなみに報道では“5社”による“約5500棟”(㈱エクセルシャノン(約4100 棟)、三協立山アルミ㈱(約750棟、新日軽㈱(約90棟)、㈱PSJ(4棟)、H.R.D SINGAPOLE Pte Ltd(約530棟))がその対象とありますが、事実上の開発ノウハウについてはシャノン1社であり、他はその技術供給関連会社という位置にあたると私は考えています。

世界的にも断熱サッシの普及が遅れている“アルミサッシ王国”の日本です。
「断熱樹脂サッシ」が何故これほど普及するのに時間が掛かるのか、色々と憶測はありますが、とにかく本州以南の地域において浸透していくのはこれからでした。
特にビル系への利用は近年始まったばかりであり、その中でも更に「防火仕様」ともなるとまだまだ利用頻度は特殊であり、これからの需要が見込める商品であった筈なのです。
ですからコストダウンの為に偽装したという理由は如何にも効果としては薄いと考えられますし、それを隠蔽しようとした判断は結局傷口を広げたのみであり、もっと早い時期であれば被害も最小限で抑えられたと思われます。
「ニチアス」の偽装事件と比べるとかなり棟数も少ないので如何にこれからの商品だったかというのも理解できるかと思います。
しかし、せっかくの技術も一番大切な信用を失ってしまっては意味がありません。

「シャノン」といえば、地元北海道ではもはや馴染みの窓製品であり、まさに「断熱樹脂サッシ」の定番商品として代名詞にもなっていたほどでした。丁度私がサッシ業界に携わっていた20年以上もの前の話になりますが、従来のアルミ製の二重サッシからこの「断熱樹脂サッシ・シャノン」に変わり始めた頃で、それによって住宅の断熱性能は飛躍的に進歩しました。
今では「高気密・高断熱住宅」における先進地域である北海道において、樹脂サッシは必要不可欠な商品であり、もはやそういう意味では、性能の劣るアルミサッシ(樹脂との複合製品をも含む)など戸建住宅ではまず使っておりません。

その後、高性能断熱樹脂サッシを更にビル建築へも普及させようとメーカーもラインナップを揃え始め、ついに、都市部では多く指定されている防火地域でも使用可能な「防火仕様」の樹脂サッシが誕生し、まさに画期的な製品となりました。一昨年あたりからは窓種もかなり増え、これからの普及拡大に大いに期待してところだったのです。
それが今回の事件で一気に後退してしまいました。


しかし、これらの偽装は、勿論悪い事ではありますが、「断熱樹脂サッシ」自体の特長や、「高気密・高断熱性能」へ大きく貢献している部分については、決して評価が下がらないように願いたいものです。一般住宅へ使用されている部分や防火地域ではない部分においては性能的には全く問題は無いわけですし、これらを一緒くたにし、全ての樹脂サッシが悪いという事にだけは間違って欲しくないと思います。
(その性能については各戸別に行っている気密試験や断熱効率によって証明されています)
また、“樹脂”というとプラスチックのように熱に弱く溶けてしまうとか、燃えてしまうといった誤解を持たれやすいのですが、窓サッシに使われている“塩ビ樹脂”素材そのものは難燃性が高いという特長もあります。

マスコミ報道ではどうもネガティブな部分を強調しがちですが、だからといって全体を考えた場合、やはりこれからの「窓」はアルミ製ではないのですから。

一部では、業界からシャノン製品を締め出すような意見もあるようですが、そういう事ではないと私は考えます。
そんな事では結局、窓製品自体の発展を遅らせるのと同時に住宅性能の進歩自体を遅らせることに成りかねません。

実は世界的にみても、日本はかなり発展途上にあるのがこの「窓サッシ」なのです。

ですから今回の件ではきちんと修復できることは修復し、社会的責任を成した上で、あらためて更なる技術革新を推し進めていって欲しいと願っております。

【 追伸 】
シャノン総本山的工場は北海道の栗山町にあります。栗山町と言えば昨年の初めに、町の基幹企業の一つであったハウスメーカー「木の城たいせつ」が破綻した町でもありますね。
今、私の住む南幌町との合併に向かって揺れていますが、更に追い討ちをかける事件となってしまいました。そう考えてもやはりこれは他人事ではない問題なのです。 mixiチェック
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する